宗教の上での婚姻及び離婚の扱いについてお話しようと思います。宗教に疎い日本人の私たちにはあまりピンとこない話かもしれませんが,宗教上で離婚を禁止している宗教があるということをご存知でしょうか。一例をあげるとそれはキリスト教です。中でも特に,厳格な教えをもつカトリック教では,宗教上は離婚を容認していません。カトリックの教えでは,婚姻は神の前での契約で,その契約の目的,たがいの幸福と子を為すこと,さらにこれら両方が成立することとされているので,どちらかが欠けてはいけません。余談ですが,このため中絶も禁止されています。神の前で結んだ契約を,二人の都合で切る,つまり離婚するということは許されないこととされているようです。
では,カトリック教徒はどんな理由があっても全く離婚が出来ないかというと,それは理由の程度にもよりますし,それぞれの国によってさまざまなようです。離婚するのが非常に難しく,数%しか認められない国もあれば,結構高い離婚率の国もあるようです。ただ,カトリックのそもそもの基本の教義としては認められていないので,カトリック教徒が多い国では,日本のように紙切れ一枚で済むというのはそんなに多くはないようです。